うぐいすの一声に魅せられて
(南港 大阪)
桜が散り日増しに若葉が茂る、丁度去年の今頃であった。
裏の林から、ホーケキョの一声、なんて心楽しいことか。
耳を立て、待ち構えたが、それきっり何処かへ飛んで行った
らしい。
朝、静かに窓を開け望みを託す日が続いていた。
そうだ、野鳥公園に行ってみよう。
ゲートを入ると、そこには大きな望遠レンズを構えたカメラマンが
いた。
さらに進んでいくと、今度は3人がシャッターを切る寸前のところ
であった。
高い梢の小鳥を撮っていた。うぐいすではあるまい。
メジロなら姿を見せたり、群れで飛んだりもするが、うぐいすは
そうではない。
落ち葉を踏みしめ、奥へ入ると小鳥と木実の関係を説明した掲示板が
立てられていた。
メジロ、ヒヨドリ等は出ていたが、うぐいすは全くなかった。
うぐいすは、この時期には昆虫、毛虫等の小動物を漁るのかも知れ
ない。
鳥の囀りが聞こえてこないので、折り返した。
ゲートのところには、入った時と同じように根気よくカメラマンが
立っていた。
釣りが好きでもない俺にはできることではない。
動く、飛ぶものを撮るときは足を止める。動かないものを獲る
ときは足を運ぶのが原則だな、と思いながら帰途についた。
そりにしても、今年もうぐいすの声を一度は聞いてみたい。