昭和2年生まれの航海日誌

昭和2年生まれの航海日誌

昭和2年生まれの卯年、大阪で一人暮らし、飼い犬とグランドゴルフや散歩に出かける毎日(ブログ移転してきました)

今年は見るぞ紅白歌合戦


「あとは有馬記念だけか」などと、先ほどの威勢のよさを
すっかり失って、かぼそい声で呟いている。

紅白歌合戦があるぞ」
「大分みてないわ」
「それが、今年はどちらかと云うとオールドフアン向きに選考
されていて、視聴率が90%にもなりそうなのだよ」

「先行き短い者へのはなむけか」
「そりゃない、知らない歌手が知らない歌をうたうから、紅白の
魅力がなくなってしまったのだ。それに気がついてパワーアップ
したのだ。NHKも粋な計らいをしたのさ」

「ビデオを撮っておくよ」
「頼んだぞ」
 来た時と同じ顔にもどって帰って行った。

 出場メンバーを見ると、その曲も頷けるものだった。
 坂本 九 ”上を向いて歩こう
高知で巡視船に乗船しているときに聴いた。
 可なり手荒い日本語だと感じた。

 ちあき なおみ “喝采
 テンポが急になったりするので、歌唱力が問われる。
境港で健康を損ねていたときであったので、身につまされるものが
あった。

 千 昌夫 ”北国の春
 東北の人の心情を胸が裂けんばかりに熱唱するだろう。

 贅沢を云わしてもらうなら、私は
 三橋 美智也 “星屑のまち”を一曲加えて貰いたかった。

 忘れかけていた歌手、司会者を見て、過ぎた歳月を辿り、若い頃の
自分に戻れるのも嬉しい。

 トリは、美空 ひばり “川の流れるように”
 新築した住居で妻と二人で聴いた。
「なんて上手なのだろう」と
感嘆しきり。
 もう一度、一緒に聴くことはなかった。

 紅白は終わった後もすばらしい。
宗教的国民儀礼のようで、紅白の余韻は、静かな除夜の鐘に移り、
そうして、新しい年が明ける。